カオナビHRテクノロジー総研調査レポートREPORT

2017.02.22
イベント

カオナビ Management Camp 2016 ②:“OFF THE FIELD”での行動が、パフォーマンスに直結している」日本ラグビー協会・中竹氏に学ぶ人材抜擢メソッド

12月8日、株式会社カオナビが主催した「カオナビ Management Camp 2016」にて行われたトークセッション「抜擢人事の仕掛けとは」。日本ラグビーフットボール協会でコーチングディレクターを務める中竹竜二氏は、一貫指導と評価の共通化の重要性を語りました。中竹氏ならではの人材抜擢のメソッドとはどのようなものなのでしょうか? ユニークな視点を随所に感じることのできるスピーチをどうぞお楽しみください!

ジュニア代表からフル代表まで「一貫指導」を導入

僕は、今、日本ラグビーフットボール協会で、コーチングディレクターという役職、ラグビーのコーチをコーチするという役職を担っています。

(コーチングの現場で)起こりがちなのが、いい人材を発掘しても育成が悪い場合、「結局、あいつダメだったじゃないか」と採用側の責任になったりするわけですね。採用側と育成側がしっかりコラボレーションすることが大切ということです。

しかしそもそも「育て方」に一貫性がなければうまくいきません。そこでラグビー日本代表では「一貫指導」という仕組みを導入して育成を行っています。ラグビー日本代表では、17歳が最年少で18歳から20歳のメンバーを中心にするジュニアジャパンがあって、フル代表へとつながっていきます。僕がそのなかで各年代のコーチ陣を集めて、セレクションの方針を一貫するとか、トレーニングの仕方を共通化するということを行わせていただきました。

そしてコーチというトレーニングをする人とセレクターという(選手の)抜擢だけをする人に分けました。社内にオリジナルな専門家を入れるかたちで、セレクターやTID(Talent IDentification=人材発掘・育成)というスタッフも作ったということですね。

評価を「テクニック」と「スキル」の2つに明確に分ける

(行ったこととして重要なのは)選手を評価する「言葉」をラグビー界で統一したことです。2015年に当時の代表監督エディー・ジョーンズと一緒に議論して、「言葉」を共通化しようと。例えば、「彼いいよね」「あのスキルいいよね」という言葉は、同じことを言っているようで、実はバラバラということがあります。

要するに、「テクニック」「スキル」を明確に分けたということです。テクニックは、「パスを取る」「キックを蹴る」という人間の動作です。一方で、スキルは、状況判断、ディシジョンメイクを伴ったものいう風にしました。

実は、日本人のテクニックは非常にレベルが高いですが、試合になると使えない。そこで「本当に強化しなくてはいけないのはスキルだ」ということで、日本のトレーニングの抜本的な改革をするために「もっと練習をスキルベースのものにしてください」という話をしました。

プレー中は「OFF the Ball」の振る舞いを共通の評価指標にする

実際に人を選ぶときに見るのは「OFF the Ball」です。例えば、今までチームスポーツでは、ボールを持っている選手や蹴る選手にフォーカスされていましたが、今はテクノロジーが進化して、全員にGPSが付けられています。要するに、キツイ顔をしていても、本当に走った距離がわかるわけですよ(笑)。ボールを持っていないところでもどれだけちゃんと働いているか、ということがわかるようになってきました。

この部分が、抜擢する際の大きな要素になってきています。同じスキルであれば「OFF the Ball」がいい方を選ぶことが、共通化されています。

「OFF the Field」の態度がパフォーマンスに直結する

また、競技中のパフォーマンスだけではなく競技を離れた時の行動や態度も重視しています。プロスポーツは今、ほとんどがツアーなんですよ。F1のようにワールドサーキットをやるわけですね。野球もそうです。サッカーもそうです。当たり前ですが、1日中練習をやっているわけじゃないんですよ。

1日移動に使い、食事をして、トレーニングをする。すると、「自分のことだけじゃなくてチームメイトをサポートする、気が使える」ということがチームにとって非常に大きな要素になってきます。それがチームにとって最も大事だということが、実は研究でも立証されてきました。我々はそれを、「OFF the Field」と呼んでいます。

例えば、U20日本代表チームを率いた時に「OFF the Fieldでのツアー中の自分の行動・態度」をレビューに書いてもらったら、おもしろいことに、「今回の遠征で、ON the Fieldの部分が順調に成長していけたのは「OFF the Field」での行動をしっかりとできていたからだと思う」と書かれてありました。「OFF the Field」での行動が、パフォーマンスに直結しているんですね。

これは我々レベルの話だけではなく、今世界をリードしているニュージーランド代表のオールブラックスもそうなんですね。彼らは「Better People make Better All Blacks」をスローガンにチームを強化し、世界の頂点に立っています。また、それを科学的に研究したのが、アメリカのポジティブ・コーチング・アライアンスです。「BETTER ATHLETES BETTER PEOPLE」。「いいパフォーマンスをあげる人は、いい人であることが前提である」と。これを今、全米で何万人というコーチが学び、子供たちに指導しています。

私は、TEAMBOXという会社を経営していますが、ビジネスも同じですね。業務上のパフォーマンスだけではなく、朝、会社に着いて仲間に挨拶できるか、掃除ができるか、ミーティングの後椅子や机の片付けをするか。ここをしっかりするだけで、その企業のパフォーマンスは上がると思います。「OFF the Field」を可視化していくことが、これからのマネジメントにおいて必要なんじゃないかな、というのが私の見解です。

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