カオナビHRテクノロジー総研調査レポートREPORT

2020.05.26
調査

リモートワーク、盛り上がっているように見えるけど?
~リモートワーク実態調査レポート1~

サーベイの背景

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、テレワーク、在宅勤務、リモートワーク等の「出社をしない」働き方(以降、すべての働き方を含めて「リモートワーク」とします)を始めた方も多いのではないでしょうか。HRテクノロジー総研では、リモートワーク実態調査を実施しました。現在リモートワークを実際にしている人の声から、リモートワークの「今」と「未来」を見ていきたいと思います。今回は、様々な角度から「リモートワーク実施率」に焦点を当て、リモートワーク浸透の現状を確認します。

サーベイの内容

今回は以下の要領にてインターネットを用いたサーベイを実施致しました

  • サーベイ対象:20代~60代の自由業を除く有業者 9721名
  • サーベイ期間:2020年5月1日(金)~2020年5月7日(木)
  • サーベイ内容:Web上でリモートワークについての質問項目に、選択・記述式で回答
  • 結果の集計・分析:回答結果を集計し、差異や傾向を抽出

調査結果① リモートワーカーは少数派!実施率(全体)は35.5%

本レポート内の「リモートワーク実施率」とは、「現在のオフィスへの出社状況を教えてください」という設問に対して、「毎日リモートワーク」もしくは「週に2~3日出社し、その他はリモートワーク」と回答した人の割合のことを指すこととします。

  • ※現在のオフィスへの出社状況を教えてください。

全体では「毎日リモートワーク」が17.4%、「週に2~3日出社し、その他はリモートワーク」が18.1%となり、合わせて35.5%のリモートワーク実施率となりました。「毎日出社」の方は58.5%いるようです。リモートワーク実施率の高低の評価は意見が分かれるところではあるかもしれませんが、全国的な緊急事態宣言のもと外出自粛要請がなされているにしては、低いという印象を受けます。

調査結果② 地域差が大きく、首都圏が突出して高い

続いて勤務地域別の傾向です。


勤務地域のカッコ内の数値は回答数(以降の図も同様)


リモートワーク実施率の全体平均35.5%を越えたのは首都圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)のみで52.2%。首都圏以外の地域ではいまだ半数以上の方が「毎日出社」し、最も高い東北・北海道では74.7%の方が「毎日出社」しています。首都圏とそれ以外の地域で、リモートワークの浸透には大きな差があるようです。

調査結果③ 業種差が大きく、ITが突出して高い

続いて業種別の傾向です。



業種別でみると、リモートワーク実施率が最も高いのは、IT・インターネットの68.4%です。そのリモートワーク実施率は非常に高く、「毎日リモートワーク」が52.0%と、他の業種の2倍以上に達しています。リモートワーク実施率が低いのは「小売・外食(22.8%)」「流通(25.3%)」です。これらの業種は販売員や配達員など、現場での業務が多い業種なので、妥当な結果と言えそうです。

調査結果④ 職種差が大きく、ホワイトカラーの実施率が高い傾向

続いて職種別の傾向です。

自営業は回答数が少ないため参考値


リモートワーク実施率上位の職種は、「営業職(51.6%)」「事務系管理職(46.5%)」「事務職・技術系事務職(44.4%)」となりました。「営業職」は、外勤でもともとオフィスでの業務が少ないことに加え、Web会議システムなどの普及が早期に進んでいた職種だったことが背景にあると考えられます。
翻って下位には「ドライバー」「工場などの生産職」「販売・サービス」が並びます。いずれの職種も業務のためには現場に出ることが必須なため、妥当であると思われます。

調査結果⑤ 会社規模は大きい方が、リモートワーク実施率は高まる

最後に、会社規模別の傾向です。



会社規模は規模が大きければ大きいほど、リモートワーク実施率は高くなっていました(「10人未満」を除く)。従業員数「5,000人以上」の会社に勤める方のリモートワーク実施率は49.4%となり、約半数の方はリモートワークを経験していることになります。翻って、従業員数「10~49人」の会社に勤める方のリモートワーク実施率は23.3%と非常に低くなっています。従業員数が少ないと小回りが利き、働き方を柔軟にできそうなものですが、この結果を見ると、リモートワーク進展には「リモートワーク環境が整備できるリソースがあるか」が重要と考えられます。

調査結果からの考察 ~なぜリモートワークは進まない?~

これまでの結果も踏まえて、リモートワークが意外と浸透しない理由としては、以下のようなものが考えられるでしょう。

  • リモートワークがそもそも不要:通勤が自動車、職場でもパーソナルスペースが確保される等で「三密」を避けられる
  • リモートワークが難しい:現場にいることに意味がある職種、医療従事職、工場勤務等
  • リモートワーク環境の整備不足:ノートパソコンやメールアドレスがない、外部アクセスを担保するセキュリティが構築できない等
  • 新型コロナ感染症へのリスク認識不足:感染者数・死亡者数には地域差があるため、危機感の濃淡がある
  • マネジメント上の課題:職務要件が不明確でリモートワークでは指示が出しにくい、サボるのではないかという懸念等
  •  

    今回は「リモートワーク実施率」という切り口で、リモートワークが意外と浸透していない現状を確認し、その理由について考察しました。次回のレポートからは、リモートワークを実際にやっている「リモートワーカー」の声に焦点を当て、リモートワークを実際にやってみて感じること、そして今後、リモートワークをよりよい働き方にするには何が必要か、考察をしていきます。
     
     

    【インターネットサーベイ調査概要】

    <実施詳細>

    • 配信:2020/5/1
    • サンプル回収数:9721サンプル
    • 配信・回収条件
      年齢:20歳~69歳
      性別:男女
      配信地域:全国
      対象条件:有業者(自由業を除く)

     
    <設問と回答選択肢>

    :現在のオフィスへの出社状況について教えてください。
    選択肢:基本的に毎日、オフィスに出社して働いている/週に2~3回程度オフィスに出社し、それ以外は出社せずに在宅勤務、テレワーク、リモートワーク等で働いている/基本的に毎日、出社せずに在宅勤務、テレワーク、リモートワーク等で働いている/休業している/その他(自由記述)
     

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